【みつばちのルー 2】

 ずいぶん遠くまで飛んで、ルーは ようやくみんなに追いつきました。
「ごめんなさい。わたしのダンス、間違っていたの。
本当はここじゃないの。ごめんなさい、みんな。」
ルーは泣きそうになりながらみんなに謝りました。

 ところが、仲間のハチたちはルーを振り返り、
にっこり笑って首を振りました。
「全然間違ってなんかいないよルー。
すごいじゃないか。こんな大きなレンゲ畑よく見つけたね。」

「えっ?」
言われて、周りを見回してルーはびっくり。一面ピンク一色。
まるでピンクのじゅうたんを敷き詰めたようです。

「わぁ〜っ。」
ルーは思わず驚きの声をあげてしまいました。
みんなを追いかけるのに必死で、
周りの景色を眺める余裕なんてなかったのですから、
本当に驚いてしまったのでした。

 そんなルーの様子を仲間のハチたちは、やさしく見つめています。
それから、その一匹がみんなに向かって言いました。
「さあ、今日はルーのおかげでたくさんの甘い蜜を集められるね。
みんな 頑張ろう。」
「おおぉー。」
みんな一斉に声をあげると、思い思いに好きな花に向かって散らばって行きました。

 ルーや仲間のミツバチたちも、
十分すぎるほどたくさんのレンゲの蜜と花粉を集めることができました。
「おいしいね。こんな甘い蜜、めったにないよね」
「うん。帰ったらみんなきっと大喜びだよね」
「これもルーのおかげだよね」
そんなみんなの声を、ルーはとてもうれしい気持ちで聞きながら、
花々を飛び回って働きました。

 やがて、自分たちの仕事にとても満足して、
みんなの待っている巣箱へと戻って行きます。

 ルーも、仲間たちの少し後から、フラフラと でも一生懸命羽音を立てて飛びながらついて行きます。

 ルーは、みんなの後姿を見つめながら、
『今日は運良く失敗が素敵な結果になったけど、
いつもそうなるとは限らない。
みんなに迷惑をかけないようにもっともっと頑張らなくっちゃ』
と考えていました。

 ルーたちの蜜集めはまだまだ続きます。

                       (おわり )

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